今日、BLS(一次救命処置)の講習会に参加してきました。救急病院に勤め始めて1年。すでに5回ほどCPR(心肺蘇生法)の現場に立ち会いました。その経験から、CPRについての正しい知識と、正しい技術が必要だと感じました。
今回参加した講習会は、AHA(American Heart Association)アメリカ心臓学会が実施しているもので、この講習会に参加し、実技試験と筆記試験に合格すると、ヘルスケアプロバイダーという資格がもらえます。誰でも参加して良いもので、世界共通の資格なので、世界中どこにいても救命救急を正しく行うことができます。講習会に参加し、今までの知識や技術不足を痛感しました。
まず、CPR(心肺蘇生法)の流れをまとめると、
① 傷病者を見つけたら、現場の安全を確認、確保する。
② 声かけと、両肩を揺さぶり(乳児の場合は足の裏をたたく)、意識を確認し呼吸をしていないか、呼吸をしていても喘ぐような死戦期呼吸をしているかなどのチェックを10秒以内に行う。
③ 応援を呼び、その人に救急コールとAEDの準備を頼む。
※ AED(自動体外式除細動器)は、心電図を解析し、心停止前に出現する心室細動(心臓の筋肉の痙攣)を検知した場合に、電気ショックを与えて、心室細動を抑えるための機器です。心室細動が起こると、心臓の筋肉が収縮し、うまく血液を送り出せないため、胸骨圧迫だけでは血液を送り出すのが難しいそうです
④ 脈(成人は頸動脈、小児は大腿動脈、乳児は上腕動脈)を5〜10秒で確認する。脈がない、正常な脈でなければ胸骨圧迫と人工呼吸を開始する。
⑤ 胸骨圧迫は、シャツなどの邪魔なものを除去し、傷病者の横側から行う。胸骨下半分に両手を重ね合わせて置く。上の手の指を下の手の指にしっかりからめる。下の手を軽くそらすようにし、腕はまっすぐ、肘を極力しめて、真上から強く、速く圧迫する。圧迫の深さは成人で5cm以上。小児は5cm、乳児は4cm。1分回に100回以上の速さが必要となる。更に、圧迫後に胸壁がしっかりもどらなければ血液が送り出されない。30回胸骨圧迫を行い、2回人工呼吸を行う。人工呼吸の際は、専用のマスクをしっかり密着させ、傷病者の下顎を持ち上げて気道を確保し、息を吹き込む度に胸のあがりを確認する。胸があがっていなければ、効果的な人工呼吸が行えていない。また過換気を予防するため、優しく1秒程度かけて行う。
胸骨圧迫:人工呼吸は成人の場合は30:2、乳児や小児の場合は15:2で行う。これをAEDや救急隊がくるまで行う。救助者が2人以上の場合は胸骨圧迫と人工呼吸を分担して行うが胸骨圧迫はかなり疲れるので、2分おきに交代する。交代の際は5秒以内に行う。胸骨圧迫の中断は10秒以内に抑えなければならない。
⑥ AEDがきても呼吸と脈がもどるまで同じサイクルを続けるが、心電図の解析と、電気ショックの間は傷病者から離れる。電気ショックが行われたら直ちに胸骨圧迫を行う。
細かいところまでは書き切れませんが、この流れを習得すれば救命率はかなりあがるそうです。
CPR開始までの時間が1分経過するごとに救命率は10%下がってしまうので、細かいチェックよりも、まず胸骨圧迫を行うということを強調されていました。また、人工呼吸はもちろん大事なのですが、ある研究では、人工呼吸と胸骨圧迫を行った群と胸骨圧迫のみを行った群では、救命率はあまり差がなかったそうです。ですから、余計に素早く正しい胸骨圧迫を開始するのが1番だということです。
残念なことに、AEDを至る所に設置しても救命率は大きくあがってはいません。それはやはり正しい胸骨圧迫や人工呼吸が行えていないからだそうです。
実技試験と筆記試験は無事に合格し、一次救命処置のヘルスケアプロバイダーの認定証を頂くことができました。

今後は、正しいCPRを普及するため、インストラクターを目指したいと思います。