“Whom”は消失しつつある


whom は英単語のなかから消えつつあるという記事(by Megan Garber,The Atlantic April 2013)に、「そんなー、中学、高校を通して6年間、いや、補習授業や入試勉強を加えると6年以上の時間をかけて学んだ英文法をそうそう簡単に変えてもらっては困ります」が私の反応でした。

しかし、非英語圏人の苦労等聞く耳もたぬとばかりに、記事はまず、グーグルのdigitalized booksに現れる総計4億の単語を探索した結果、単語 whom の使用は1930年代には3,352回、1990年代には1,492回であったのが、2000年代には902回に減少している事実を述べ、次に

記事の大半をさいてその理由を挙げています。話し手(発言者)が whom 即ち who の目的格を使用して、意志を明確にする行為は、文法通りで正しくはあるが、それは、ともすると尊大との印象ををあたえる。それは、カジュアルを良しとする今時の風潮に会わない。

今時の風潮といえば、言うまでもなく、スマートフォーンを初めとするハイテクも”whom”の消失に拍車をかけている。ハイテク世界には独自の文法 e-grammar が存在し、そこでは従来の文法はどんどん崩れている(例えば、大文字のI の代わりに小文字のiを使うのはすでに普通になっています)。

ところで、この記事の最初には”For Whom The Bell Tolls” ヘミングウエイの有名な小説の題名(誰が為に鐘は鳴る)と”whom”の言葉が葬儀車に乗せられているイラスト出てきます。もう、whom は雅語扱いです。

50年後には”whom”の説明が必要になる?


WHOMは消失

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2 Responses to “Whom”は消失しつつある

  1. RodneyOsorio's avatar RodneyOsorio says:

    これから、whomを使います。:)

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  2. YokoKelley's avatar YokoKelley says:

    ぜひそうして人に煙たがられて下さい!私もかなりの天の邪鬼(あまのじゃく)で、他人がやらない事はやり、流行っている事にはわざと手をつけません。たとえば、スマートフォーンの使用は必要最小限にとどめ、手紙やカードをせっせと書きます。

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