Category Archives: Nebraska便り

Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 16

  4月の初旬、 日本に1週間ばかり行ってきました。

 日本の春といえば桜の花ですが、近年は、おおむね開花の時期が早くなり、新入生の入学式を祝う時期よりも、むしろ3月の卒業式の時に花びらが舞うように なったので、半ばあきらめていたのですが、到着した日とその後2、3日が、ちょうど満開といった幸運にめぐまれ、久し振りに楽しむことができました。

 ハワイのみなさんにとっては、日本訪問はさして珍しいことではないでしょうから、詳細は省きますが、ひとつ気が付いたのは、デパートのエレベーター嬢が存在しなくなったことです。

 4年前に帰国した際にはエレベーター嬢がいて、懐かしかったのですが、すでにその当時、新式の(老舗でない)デパートでは、エレベーター嬢を廃止してい たかもしれません。ともあれ、日本に行ったら お辞儀をするのを忘れない様にと肝にめいじていましたので、エレベーター嬢が 「いらっしゃいませ」とお辞儀する度に、こちらもお辞儀を返さずにはいられなかったのを覚えています。

 今回、感心したのは、脚の弱った母のためにデパートで車椅子を借用できただけでなく、買い物を終えたら、デパートの顧客係が親切にタクシー乗り場まで同 伴してくれたことです。翌々日、同じデパートに出かけましたら(日本滞在中は、連日、市の中心街にでかけました)、くだんの顧客係の女性が勤務中でしたの で、厚くお礼をいいました。 (2004年5月10日)


(ハワイパシフィックプレス連載)

 

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Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 15

 
 春到来を真っ先に知らせてくれるのは、南から飛んで来るロビンです。

 渡り鳥は太陽の位置で移動の時を決めるらしく、毎年春分の日がすぎると、ロビンは確 実にやってきます。時には雪が降ったり、気温が零下になって地面が凍り、地中の虫を獲って生きているロビン達は大丈夫かなと心配する時もあります。

 時を同じくして、スーパーマーケット日曜大工店には、各種の花、野菜の種袋がならびます。袋には美しい花やみずみずしい野菜が印刷されていて、思わず、あれこれ買ってしまいます。

 さらに暖かくなると、これらの店の広い駐車場の一角にカマボコ形のビニールハウスが出現します。これは、仮設園芸店で、ビニールハウスが立ち上がると、 ほぼ毎週、花や野菜の苗が大型車にいっぱい積まれて運ばれてきます。近隣の村や町の苗木場 (nursery) からはもちろん、かなり遠くからも運ばれてきます。

 このビニールハウスは、6月の末にはたたまれて、仮設園芸店は、来春まで陰も形もなくなります。種や苗を購入した買い物客は、あとは夏中、これらの世話に追われるという次第です。  (2004年4月10日)


(ハワイパシフィックプレス連載)

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Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 14

  ネブラスカ州といえばトウモロコシ畑ですが、今回は食べる話ではありません。

 2003年末の狂牛病で打撃を受けた当州にとって朗報があります。

 ネブラスカ州と東隣りのアイオア州を隔てるミズリー川に沿って、オマハからすこし北上したところに、ブレアーと呼ぶ町があります。一見、他の町と変った所はありませんが、そこにある研究所と工場で、トウモロコシから食品容器が作られています。

 石油から作られるプラスチック容器の出現により、食品の他あらゆる物の運搬が容易になったのは事実ですが、その代償として、各国ではゴミの処理に悩まさ れています。石油由来のプラスチック容器が生分解 (biodegradation)するには、数世紀を要するとされています。

 一方、トウモロコシ容器 ( container をもじって、corntainer) は、 約1ヶ月で生分解され、100%、土に返ります。また、製造過程における環境破壊ガスの発生も、石油製品のそれよりも60%少ないと環境保護の点でどちら が優れているかは、一目瞭然です。

 現に、石油由来のプラスチック袋や使い捨て容器の使用が禁止さいる台湾では、トウモロコシ由来のプラスチックを使った製品が多数製造輸出されています。

 石油に代るエネルギー開発と並んで、今後、トウモロコシ容器の需要が伸びることは確かで、10年後には、米国のトウモロコシの総生産量の約10%が容器や 繊維に変換されると予想されています。 (2004年3月10日)


(ハワイパシフィックプレス連載)

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Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 13

寒風吹きすさぶ季節になると、当地の小学校を訪問した日の事を思い出します。隣人が教師として勤務している小学校で国際デーを計画しているとかで、日本の紹介をしてほしいと頼まれたので、快く引き受けたました。

 対象は、1年生から3年生で、トピックは、そちらで御自由にいうことでしたので、あれこれ考慮した結果、日本語の紹介をすることに決定。

 その理由は、情 報手段が発達し、マウスのクリックひとつで世界中の観光が可能な今日、日本の名所の展示など、おそらく生徒達にとっては興味はないだろう、しかし、日本語 を日本人に紹介してもらったことはあるまい、と思ったからです。

 勿論、2、3時間で日本語のすべてを紹介するのは不可能ですし、情報過多で生徒が混乱した り、関心を失ったりしてほしくないので、カタカナだけに しぼることにしました。

 幸い、手元に日本からの新聞がありましたので、それを見せて、いかに日本語が複雑に成り立っているか、簡単にふれました。話す聞くだけに終わってしまわ ない様に、生徒全員の名前をカタカナで書いた札をくばりましたが、この試みは成功しました。

 どの生徒も 興味津々に眺めたり、隣の生徒とくらべたりしていました。

  アイウエオの50音表を大きな厚紙に書き出し、発音を紹介しました。ベンという名前の生徒が、へ はheと発音し、ベはbe と発音する、つまり、HとBが同じ欄にあるのは どうしてですか、と 質問したりと、他の言語に興味を持ってほしいという最初の目的はともあれ達せられたようでした。

 その日は寒風が強く吹いていて、50音表の厚紙を運ぶのがたいへんで、車から学校内までやっとの思いでした. その後、生徒達から、礼状が送られてきましたが、楽しんだとのことでした。 2004年2月12日


(ハワイパシフィックプレス連載)

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Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 12

 
 年末年始のにぎわいは、なんといっても日本にいてこそで、米本土ではクリスマスが過ぎると、気が抜けたようになり、いつのまにか新しい年になっているというのが、通常なのですが、今回ばかりは違っています。

 狂牛病 アメリカでも発見!」 のニュースはまたたく間に世界中に知れ渡ってしまいました。

 なにしろ、30カ国以上が米国産の牛肉を輸入しているのですから、影響を受けない国はまずないといっても言い過ぎではないでしょう。事件の詳細はマスメディアにまかせることにして、食肉生産が州の最大産業である当州の反応を、地元の新聞記事をもとにまとめてみました。

 年間の売上高 50億ドル ($5 billion a year) 、これは米国全体の20%に相当します。上記の30カ国が米国産牛肉の輸入禁止に踏み切って以来、売り値は約25%減少。

 輸出は牛肉の総需要の10%にすぎ ないとはいえ、当州の食牛や牛肉の売上高は年間8億7千4百万ドル($874 milliom a year)で、州にとっては、決して無視できない財源です。

  輸出を専門とする企業では、すでに閉鎖ならびに従業員の解雇を余儀なくされたところもあり、事 件の余波はしだいにひろがっています。先行きがはっきりしないところが、最大の難点となっています。(上記のドルはあまりにも巨額なので日本円に換算して おりません)。 2004年 1月 14日 水曜日


(ハワイパシフィックプレス連載)

 

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Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 11

  
 裏庭を訪れるリスやさまざま鳥のエサは、40パウンドの大袋を牧畜用材店で買います。小袋入りより安くつくことは勿論ですが、牧畜に必要な柵、金網、飼料入れが、 広大な敷地一面に所狭しと置いてあるのを見るのが楽しみである事も、牧畜用材店に行く理由のひとつです。

 なにしろ当州は家畜対人間比が5対1ですから、この手の牧畜用材店が、そこここにあります。

 外部におとらず広い店の内部は、工具、電気器具、園芸品、飼 料に加えて、牧畜用の長靴や衣料品も売っています。

 牧畜用材店の新聞折り込み宣伝を読むのも、これまた楽しみです。この季節には、馬や牛の写真のとなり に、除雪用スコップや大型電池、保温電球がのっていて、牧畜業の厳しさをしのばせます。

 先日、落ち葉集め用のプラスチックの桶を探していたところ、丁度、手頃の大きさの桶の中に、なにやら黒っぽいものが、ズッシリつまっていて、はて、なん だろうと不思議に思ったのですが、宣伝のチラシにより、糖蜜と蛋白質入りの桶だとわかりました。各種ミネラルとビタミンも含み、牛馬に安全に使用可能とあ り、寒い冬に備えてなのだろうと納得した次第です。

 当州で牧畜とならんで農業も盛んであることは、主要テレビの日曜日の夜のニュースのすぐ後に、農業に焦点をあてた番組が放映されることからもわかります。一般の視聴者にも理解し易い解説で、学ぶ事も多くこれはぜひ続けてほしいと願っています。



(ハワイパシフィックプレス連載)

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Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 10

 早朝、バリッバリッ と落雷の音が頭上にひびきます。

 おやっ、稲光は見えなかったがと、庭の方を眺め渡してみると、隣家の大きな楓の枝の一つが幹の近くから、ポキリと折れ、小枝や葉っぱが一面のちらばっています。今朝の気温が氷点下になったため、昨夜 降った雨が凍ってその重みで枝が折れたのでした。

 冬が近づくと、日本では、蔵王に登って樹氷をみよう!といった宣伝文句にしばしばお目にかかります。

 その樹氷を家にいながらにして楽しめるのは、嬉しいことですが、落葉しないうちに気温が下がると、かくの如き氷害がおきます。

 高山の樹木はほとんど針葉樹で、雪や氷にうまく耐える形になっているのにひきかえ、住宅街の樹木は、夏期の木陰を目的としているため、枝がひろがっていて、天候次第で災害の元となることは、ハワイの皆様もハリケーンでおなじみ。

 それでも、樹氷が陽光にきらきら輝くさまは、雪とはまた違って美しく、つい ♪ 樹氷…樹氷…♪ (ほんとは霧氷…霧氷…) とやりたくなります。

 


(ハワイパシフィックプレス連載)

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Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 9

 
 黄葉、紅葉の季節到来! ハワイの皆様、ちょっと想像力をはたらかして下さい。うっそうと茂ったバニヤンの木の下でお弁 当をひろげるとします。そして、そのバニヤンの木の葉が全て黄金色で、地表も黄葉がびっしり。まるで金色の宮殿の中にいるよう。周囲の木々のオレンジ色や 紫色の葉も混じって、錦をひろげたよう。

 と、ここまでは、うらやんでいただきましょう。しかし、日本の桜と同様、好事魔多し。美しい 風景は長く続かないばかりか、落葉がはじまると際限なく、落葉は自然がもたらす栄養分だからと、少々手抜きしても、かき集めた葉っぱはトラック一杯分はゆ うにあります。そうゆう次第で、こんどは雪の到来が待たれます。


(ハワイパシフィックプレス連載)

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Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 8

  「実るほど頭をたれる稲穂かな」

稲穂とは縁遠い米国北部中央平原に住んでいても、これと同じ風景に出会います。

 昨年の夏、裏庭を我がもの顔に走りまわるリス達が、たまたま一本だけ育ち、種をいっぱいつけたひまわりを一心に食べていました。

 そんなに好物なら、来年は、ひまわりをたくさん植えようときめ、まだ戸外がうすら寒い今年4月、カリフォルニアグレイストライプと呼ばれるひまわりの種を20個ばかり鉢植えし、暖かくなるまで室内で育て、6月に裏庭の一番日当たりの良い場所に植えました。

 気候の変わりやすい地帯ですから、あまり期待していなかったのですが、嬉しいことに、どれもすくすく育ち、種の袋の説明どうり、皆2メートルを越す立派なひまわりの林ができました。花も大輪で、なかには直径50センチを優にこすほどです。

 待つほどもなく、種がびっしりとつき始めると、それまでは太陽の向かってまっすぐに立っていたひまわりの頭が、次第にたれてきて、ついには、種のついてる面が地面と平行になります。

 すると、リス達の出番となります。良くしたもので種の裏側は広くて、食事する時の足場にじゅうぶん。先日は、キツツキがやってきて、種の付いている面にぶらさがって、リスに負けじと食べていました。


(ハワイパシフィックプレス連載)

 

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Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 7

Fields that were green just 2 or 3 weeks ago have turned yellow, announcing the ripening of corn. Area residents are relieved to know that crops are doing well, again, this year. Whether it will be bumper crop or not is an another matter. At first, when we moved here in 1997, we had only an impression of crops growing in expansive fields. But now, in our seventh year, we can tell corn from soybean just by looking at how the seeds are sown, late spring or early summer. There are six types of corn, including sweet corn for human consumption, and feed corn for cattle. We are very familiar with popcorn in association with the movie house. Even so, the sales of popcorn increased dramatically when microwave popcorn was introduced. A new relationship between television and microwave popcorn has emerged. The moisture content of each kernel is crucial for popability. Ideal moisture content is 16-20% at the time of harvest and 13-14.5% after the drying process, which manufacturers strive to perfect. Most of the world’s popcorn is grown in the nine Midwestern States, one of which is the State of Nebraska.

 2、3週前は、緑一色であった畑に、今は黄色がひろがっています。トウモロコシが実り始めたのがわかり、地域民一同、豊作かどうかは別にして、今年もどうやら大丈夫とほっとしています。

 移って来た当初は、広大な農耕地に育つ作物という印象だけでしたが、今では種の植え付けパターンをみるだけで、これはトウモロコシ、あれは大豆と区別出来るようになりました。

 トウモロコシにも食用のスイートコーンから飼料用に使うものまで6種類あります。

 そのうちの1種が、映画館でおなじみのポップコーンですが、ポップコーンの総売り上げ高は、電子レンジでできるポップコーンが紹介されて以来、飛躍的に増大しました。

 トウモロコシ粒 (kernel) を熱っすると含まれている水分が膨張し、kernel がはじけてポップコーンの出来上がりとなるわけですが、この含水量の多少が上手くはじけるかどうかの決め手であり、収穫時に16-20%、その後の乾燥過程で13-14.5%になるのが理想とされていて、ポップコーン製造業者の腕の見せ場でもあります。

 世界中で消費されるポップコーンの大部分が米国中西部の9州で生産され、そのうちの1州がここネブラスカ州です。


(ハワイパシフィックプレス連載)

 

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