ハワイから日本に移動して慌しい日々を過ごした半年後、2014年の1月頃、ハワイパシフィックプレスの仲嶺社長から特集号企画のメールが届きました。拠点を日本に移した経緯を3月に文章にし、帰国後ちょうど1年後の夏に、記事が新聞に掲載されたことで、改めて身の引き締まる思いがしています。ハワイでお世話になった皆様にも近況をお伝え出来る良い機会となり、今後も繋がっていくことを確信し、感謝しています。
(以下、新聞掲載記事)
August 1, 2014
Hawaii Pacific Press
この度、仲嶺さんから、ハワイを懐かしむ記事を書いてみたら、というありがたい依頼をいただきました。私達夫婦は、1987年に京都からホノルルに移り住み、ナコス語学研修所を開設しました。そして、2013年に日本に拠点を移すまで、四半世紀の間、多くの方々との素晴らしい出会いがありました。ハワイパシフィックプレスの仲嶺さんもその中の大切なお一人です。仲嶺さんとのおつきあいは、ナコスの連載記事をハワイパシフィックプレスに掲載することで、約20年間、続いて参りました。そしてまた、このような形で繋がっているご縁が感慨深く、感謝を込めてご依頼にお応えして書きたいと思います。
私達は、2013年7月15日、祇園祭の日に、長年住み慣れたハワイから日本に移りました。25年ぶりに帰った日本の夏は、蒸し暑さの真っ只中でした。そして、関西での用事を済ませるや否や、自宅のある京都を通り過ぎて、関東に向かいました。というのは、次なる拠点は、藤沢にナコス湘南を開く、と決めていたからです。そして、長年住んだ太平洋のおへそ、ホノルル市から、藤沢市のおへそ、善行に移り住みました。
藤沢市を選んだのには大きく二つの理由があります。一つには、インターネットの専門家、親友のコリー・モリソンが住んでいたことがあります。ナコス語学研修所は、ナコスメソッド(ナコス独自の語学習得方式)を、開発し、実践してきました。そして、インターネットが普及するにつれ、ナコスの語学研修は、年々、インターネットを活用した方が、よりふさわしくなってきました。そして、ナコスの関係者は自然とウェブサイトの開発等に関わるようになりました。その中の一人、コリー・モリソンがハワイから藤沢に移り住むようになリ、インターネット関係の仕事を始めました。彼とのメールやスカイプでのやりとりのうちに、藤沢市は東京にも近く、しかも落ち着いた住みやすい町だということを聞くようになりました。私達は、日本に移る準備をしながら候補地を探していたのですが、次第に湘南地域に心が傾いていったわけです。最初は、京都の自宅からさほど遠くない範囲、つまり関西のどこか新しいところで小冒険をスタートさせようと考えていました。しかし結局、ナコスメソッドをスカイプで展開しつつ、ウェブを活用した新しいプロジェクトを創造していくには、藤沢が適している、と心を決めました。実際に住むようになって実感していることが、もう一つあります。ハワイ州をはじめアメリカでのナコス関係者が、ナコス湘南に立ち寄りやすいということです。日本に旅行する計画の中に、あるいは、東南アジアや台湾・香港に出張した帰りに計画を組み込んで、「日本の我が家」に帰ってくるような気軽さで、東京からさほど苦労することなく訪ねてくれます。スカイプやウェブでナコスのネットワークを強めていくと共に、自然と集まりたくなるようなナコスコミュニティーが育っていることを、ゆっくりと実感しているところです。
ダイヤモンドヘッドのあるホノルルに行く弾んだ気持ちが、富士山の見えるナコス湘南にそのまま続いているようで、別れというものがありません。むしろ未来に向かって強く繋がっていくようです。ナコスハワイは、チェイ・シラーに任せて、スカイプやメールで連絡をとりながら、ナコスメソッドの充実に励んでいるところです。毎日、ダイヤモンドヘッドを眺めながら生活した歳月は、緩やかに過ぎたようでもあり、あっという間に飛び去ったようにも感じます。ハワイへの強烈なノスタルジーというならば、それはやはり、ダイヤモンドヘッドの見える海の光景です。海で遊ぶということは滅多にありませんでしたが、人のやってくる街、人のいる街、美しい自然に囲まれたホノルルが大好きでした。ここ善行の街でも同じように、富士山がまるでお隣さんのような顔をして立っています。ハワイに似た藤沢の穏やかな人達。すうっと静かに地元に根を下ろし始めたところです。暮にはグリーンライフ湘南というケアホームから招かれて、ヴァイオリン演奏をしました。言葉と音楽は新しい土地に溶け込み、少しずつナコスのコミュニティーが広がっていきます。ハワイで心に培った財産を、今後も亀のようにゆっくり磨いていきたいと思います。仲嶺さんをはじめハワイでの貴重な宝物は何と言っても人です。そして、美しいハワイも大切な思い出です。また落ち着いたらハワイへのお礼として、ハワイと日本を行き来したいと願っています。
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