ローマ教皇庁のクリスマス

テレビでバチカン(Vatican ローマ教皇庁)でのクリスマスイブミサを実況放送していました(とはいえ、西半球で見るので一日遅れ)。毎年この日に放映しているのでしょうが、見たのは初めてです。カトリック教の大本山たるバチカンはさすが荘厳にして豪華絢爛。しかし、実のところ、ミサの成り行きとは別の事を考えていました。目下のところ「Spanish Rome」という本を読んでいます。15世紀末以後、スペインは西半球を征服し銀を初めとした様々な宝物を一手にします。その頃既にナポリを首都とするイタリア半島の南半分も領土としていましたが、北でローマ法王の領土と接っしているため、いざこざがたえません。そこでスペイン王はなんとか法王を味方につけんものとして現金を注ぐのですが、この金の出所が新世界(西半球)の銀であるわけです。いわば、バチカンの豪華絢爛の内装は征服した西半球の領土の原住民の犠牲の上に出来たものです。と言えば、端的に過ぎるのはわかっていますが、この本を読む前にはこの事実を知らず、バチカンの内部を見てもただ豪華だと感嘆するだけでした。
スペインについてはあまり知らないなーと感じてあれこれ本を探しているうちに、突き当たった本から得た知識が思いがけない所で現実に結びつきました。

This entry was posted in Daily Sketch. Bookmark the permalink.

Leave a comment