小さい時から、記念碑などを見ると、近づいて指で字をたどったり、
本を読んでも、内容だけでなく、文字を覚えるという、妙なくせのある私でした。
家事や家族の世話に、少し時間的な余裕が出来てから、
文化教室で書道を習うようになりました。
流麗な仮名の書道がやりたくて、書いていましたが、
もの足りなくなり、力強い漢字書道にも手を出しました。
書道教室では、仮名と漢字の二つは教えてもらえないので、
独学で漢字を練習し始め、昇段試験に出していました。
本部は神奈川県の座間市でした。
そして、調子よく上段へ上がってゆくので、試験を受けるのに、
雅号がいるということになりました。
私は水仙の花の持つイメージが好きで、翠仙という漢字を思いましたが、
あたりを見まわすと翠仙というのはたくさんあって、おこがましく思い、
平凡で楚々として美しい水仙を思いつき決めました。
原産地は地中海のものが広がり、日本では日本海の越前の海岸に、
寒いところですが、芽を出し、群生地で、今では観光地ともなっています。
行ったことがありませんが、とても印象に残っていましたのでつけました。
水仙という雅号も作って、もう一歩で師範にとどくところで、主人が大病をし、
病身の体を気づかって、昇段試験をお休みすることになってしまいました。
私は自然に群生している水仙が好きです。
自然の水仙には、雨や風にさらされても折れない
しなやかで強いイメージがあるからです。
