「. . .元禄6年11月(市川)団十郎は上京し、翌年9月まで京で芝居した。」元禄時代の歌舞伎事情を述べたこの文章を読んで、一瞬、ん??? しばらくして、明治維新までは上京と言えば京都に行く事だったと思い至りました。読んでいるのは、なぞの浮世絵師といわれる写楽について書かれた本ですが、浮世絵と歌舞伎役者は切っても切れない関係にありますから、かなりのページが歌舞伎の歴史にさかれています。ところが読み進んで行くと、「歌右衛門は文化5年に上京して江戸の人気を一気にさらい. . .」との文章にぶつかりました。この上京は明らかに江戸へ行った事をさしていますから、著者の誤りとしか思えません。
重箱の隅をほじるような真似はさておき、飛行機や新幹線を利用しての旅が普通になる前は「上京」という言葉には一種のロマンがあったような気がします。九州からですと、上京するとなれば夜行列車に乗って翌日東京着といった具合で、その夜行列車のベッドも2段か3段作りで最上段は列車の天井すれすれといったものでした。あのころは駅弁ももっとおいしかった。。。。