故郷に帰った美術品


以前、このブログに、世界中の博物館、美術館の展示品のうち
許可なく国外に持ち出された品(要するに盗品)をめぐる法廷闘争について書きました。

その方面の情報はもっぱら雑誌「ARTnews」で知るのですが、
最近号に、法廷に持ち込まれることなく、故郷に帰った美術品の記事が載っていました。

返還されたのは祭壇を飾る画板で、1902年にイタリアのアブッゾ(Abuzzo)の教会から盗まれたものでした。返還したのはミシガン州のグランラピッドの美術館です。この祭壇の再建をはじめた大学院生が当の美術館に手紙をだしたことが、返還のきっかけになったのです。美術館側はこの画板は教会に属することを直ちに認めて返還のはこびとなりました。

何年も法廷で争われるのが通例の中で、こういった良い例に会うとほっとします。


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