盗まれた美術品

「ARTnews」はノーマンが長年講読している雑誌ですが、私は、画家仲間で作品を批評したり技法を交換する雑誌だろうと、注意を払っていませんでした。2年前、ふと、KlimtのPortrait of Adele Bloch-Bauerの返還が、長年、法廷で争われているとの記事が目に留まりました。それと同時に、イタリア政府が、カリフォルニアにあるゲティ美術館が古代代美術品を密輸したとの嫌疑で、これも法廷闘争に持ち込んだとの記事を読み、この雑誌は、テレビ新聞雑誌で得られぬニュースを掲載していると知り、それ以来毎月読んでいます。最近、ニューヨークのメトロポリタン美術館がギリシャ時代の容器をイタリアに返還し、オーストリアの美術館がKlimtを本来の持ち主の相続人に返したことはよく知られていますが、この雑誌を読むと、これは氷山の一角で同様な問題、特に古代の発掘品とナチス時代の美術品の行方の解決には相当な時間がかかると予想されます。遺跡の発掘品といえば、エジプト政府は有名なロゼッタストーン(大英博物館)とネフェルティティの胸像(べルリンのエジプト博物館)の返還を求めています。この動向は始まったたばかりです。将来どの方向に向かうのでしょうか。今、言えるのは、世界中の美術館博物館がおおきく変わること必至であることです。現物はすべて出身国に戻り、見物できるのは全て複製ということになるのでしょうか。

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