156番路新山

  「まっ、まさかっ!」 夏の間は緑が生い茂って見えなかった木立の向こう側が、木々が葉を落とした今は良く見えるようになり、季節の移り変わりを感じていた或る朝、突然、ダンプカーが現れて、むこう側の草むらを整地しはじめました。このアパートは、周囲にまだ自然が残っている所が気に入って移ったわけですから、「それはないでしょう」とびっくり。しかし、他人の土地である以上、私にはなにもいう権利はありません。

 ところが、毎日、ダンプカーやショベルカーを運転している人達が、夜明け前から日暮れまでぶっとうしで働いていることや、機械力がいかに偉大であるかを目のあたりにしているうちに、ただただ、感心するばかりになってきました。11台のダンプカーが次々に土を積み上げて、2階にすんでいる私の目の高さの丘を造りあげたときは、「昭和新山」にならって「156番路新山」と名付けました。

 この草むらを棲み家とする小鳥やリスへの影響がもっとも気にかかるところですが、私の心配をよそに、何事も無かった如く元気でいるのは、せめてものなぐさめです。

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