大正15年発行の本

 引っ越すにつき、運送会社に見積もりを頼みました。家具類を最低必要なものだけに減らしたのですが、それでも、数日後送られてきた料金の高さには驚きました。運送料は包装の手数料ならびに重量できまりますから、本に本箱、額に入った絵、冬物衣服、コンピューター机等は、引っ越し荷物に含めないことにしたところ、重量、料金共に三分の一に減りました。本箱やコンピューター机は他人に譲り、その他は借り倉庫に一時保管することにしました。

目下、図書室代わりの一部屋にいっぱいの本を適量ずつプラスチックの帯でグルグル巻いて、倉庫に運ぶ準備をしています。その本類のなかに、大正15年から昭和3年にかけて改造社から発行の「現代日本文学全集」が19冊あります。

亡くなった父が買い求めたものです。漢字にふりがながしてありますので、高校生の私にも読め、今にし思えば、本当の意味がわかっていたかどうか怪しいのですが、谷崎潤一郎、菊池寛などを耽読したものです。年月が経って表紙に傷みが来ているので、この19冊は、まずティシュペイパーで丁寧に包んでいます。

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