ここは、debleが目指している「言語聴覚士」、「言語聴覚療法」について紹介していくページです。
はじめに
このページをご覧になっているあなたは、「言語聴覚士」や「ST」ということばを耳にしたことがありますか?私自身は、医療系の職種について興味を持ち始めるまで一度も耳にしたことはありませんでした。世間一般で「リハビリ」ということばを聞くと、「理学療法士」や「作業療法士」を思い浮かべる方は多いと思います。しかし、「言語聴覚士」については上記の2職種よりも一般的に認知度が低いことは確かです。
私は、STについて世間の皆様に少しでも知っていただけたらと思い、このページを作成することにしました。またこのページを作成することで、学んだことを整理する意味でも、私自身の勉強にもなります。内容も決して充実したものとは言えず、不足部分も多々あるかと思いますが、気楽にご覧になっていってください!
なお、ここに書かれていることは、管理人debleの個人的見解・判断により作成されています。よって、ここで書かれていることすべてが正しいということではありません。あくまでも私的見解の範囲でご覧くださいますようお願いいたします。
2004.4.17 SPACE-D 管理人 "deble" (T.A)
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STは、"Speech, Language and Hearing Therapy (Therapist) " の略であり、(Speech Therapy ともいう) それぞれ言語聴覚療法、言語聴覚士として日本では呼ばれています。
言語聴覚士は、平成9年(1997年)に国家資格化された日本では新しい資格で、平成11年(1999年)に第1回言語聴覚士国家試験が行われました。
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STの仕事内容としては、一般的な定義をいえば、
「コミュニケーションや食べることに障害を持つ方々の言語や聴覚、摂食・嚥下機能の獲得、回復、維持を支援し、その方の QOL (生活の質) を高めるために行われるリハビリテーションや療育の一領域」となります。
そこで、コミュニケーション障害や食べることの障害についてもう少し詳しく分けてみると、以下のようになります。
① 失語症:
脳卒中や頭部外傷などにより、ことばの4側面である 「話を聞いて理解する」 「文字を読んで理解する」、「ことばを話す」、「文字を書く」 といったすべての側面が程度の差はあれ困難になる状態をいいます。
② 言語発達遅滞:
精神発達の遅れや脳性麻痺などさまざまな原因により、同年代の子どもに比べことばの発達が遅れている状態をいいます。
③ 聴覚障害:
難聴により人の話が聴こえにくくなった状態をいいます。子どもに難聴が見られる場合、ことばの発達に影響を及ぼすことがあります。
④ 構音障害:
話しことばにおいて、正しいものと違って発音されたり、発音が不明瞭な状態をいいます。
⑤ 音声障害:
はなし声が小さくなったり、声がかすれたり、がらがらになったり、ふるえたりするために、その方にとって正常な話し方でないと認識される発話の状態をいいます。
⑥ 摂食・嚥下障害:
食べたり、飲んだりすることが困難な状態をいいます。
⑦ その他:
吃音や学習障害、高次脳機能障害、広汎性発達障害などの方の訓練・援助を行います。
このようにSTは、ことばや聴こえなどのコミュニケーションに障害のある方々に対して評価や訓練、指導、助言、相談を伺うなどの援助を行い、社会参加のための支援を行います。また医療機関だけにとどまらず、保健・福祉機関との連携をとりながら、専門的な対応をすることになります。
さらにコミュニケーションに障害をもつ方々の援助だけでなく、ご家族や周囲の方々に対しても、
適切なコミュニケーションをとることができるような指導を行ったり、助言をしたり、相談を伺うなどの適切なサービスを提供します。
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==STってどこにいるの?==
1999年の12月に言語聴覚士法が制定されて以来、STの働く場は広がりを見せています。STが現在活躍している場は大きく分けて6つの分野にわかれます。ここではSTが活躍している場を簡単ながら紹介していきます。
① 医療機関:
リハビリテーション病院、リハビリテーションセンター、総合病院、大学病院、診療所(クリニック)など++中には、小児医療センターや、個人開業の耳鼻科クリニックなどでもSTが活躍している医療機関があります。++ またSTが配置されている診療科は、リハ科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、歯科・口腔外科、形成外科、神経内科、小児科などです。
② 福祉機関:
福祉機関には対象を小児と成人にわけることができます。
・小児:肢体不自由児施設、重症心身障害児施設といった障害者療育施設、児童相談所、保育所など
・成人:老人保健施設、デイケア、障害者福祉施設など
③ 行政機関:
市区町村、保健所、保健センターなど市区町村による社会福祉事業や保健事業を担当し、住民に対して必要な情報を提供したり、生活指導や施設への入所措置、斡旋などを行います。
④ 教育機関:
ことばの教室、難聴学級、聾学校、養護学校、教育センターなど
⑤ 養成機関
専門学校(2~4年過程)、4年制大学、大学院などなおST養成のための指導教員は、最低5年以上の臨床経験が必要となります。
⑥ その他
研究機関、医療機器メーカー(補聴器、AAC機器など)、社会福祉協議会、補聴器販売店など