Dr.Yoko Kelley ネブラスカ便り 75


オマハの新聞のアート欄にグラント ウッド(Grant Wood)の描いた壁画の記事が載っていました。 グラント ウッドといえばAmerican Gothic の作者です。 American Gothicは枯れ草小屋を背景にした中年の農家の夫婦を描いたもので、やや厳しい表情の夫がピッチフォーク(枯れ草用の熊手)を持っている絵といえば思い当たる方もあるでしょう。

壁画は1927年にオマハの実業家が東隣りのアイオア州の4都市にホテルを建てた際に特別に注文して製作されたのですが、その後忘れられていました。壁画はCorn Room Mural の名のとおりトウモロコシ畑を描いたものです。4軒のホテルの内、北へ車で2時間ばかりのスー市のホテルにあった壁画は篤志家のおかげで救われて市の美術館に永久展示されているとのことなので、行ってみました。壁画は大は10m幅のものから小は2m幅のものまで6枚でした。

壁画は十分な手入れがなされていなかったので製作当時の色は失われたとのことで、今は、収穫の終わったトウモロコシ畑を描いたものとわかるだけです。残念でしたが、この美術館ではオマハでおなじみの金子順(あるいは淳)さんの団子やその他の絵をゆっくり鑑賞することが出来ました。

スー市を訪れたのは、ノーフォークからオマハに移って以来、3年ぶりです。オマハからスー市までの高速道路の左右にはトウモロコシ畑や大豆畑が目の届く限り広がっていましたが、その風景を見るのも3年ぶりでした。


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