ネブラスカ州は北米の真ん中に位置し、竜巻街道(tornado alley)すなわち竜巻の通り道にありながらも、ここ数年竜巻の被害は人口の少ない町に限られていました。しかし、6月7日,33年ぶりに州最大の都市オマハを直撃しました。
竜巻は午後4時から6時の間の気温の変わり目に起こりやすいとされていますが、今回の竜巻は午前2時半頃と予想外の時刻に発生しました。技術上、竜巻警報のサイレンはスイッチを入れて実際に鳴り出すまでには少なくとも10分かかりますから、この日のサイレンは竜巻が東方へ去ってから鳴るという皮肉な事態となりました。
この竜巻は今年ネブラスカ州をおそった31番目の竜巻ですが、すでに4日後には32番目の竜巻がオマハの北方でキャンプをしていたボーイスカウト達を襲い、不幸にも4名の死者が出ました。この場合も竜巻は突如として発生し、床に伏せるのがやっとだったとのことです
31番目の竜巻のおそった翌日(日付けは同じく6月7日)のテレビの報道は竜巻のことで終始しましたが、内容は局によって違っていました。A局は的確な警報が出されなったこと、更に、サイレンの鳴るのが遅かったことを指摘し、これらは誰の責任かと非難の色合いを帯びていたのに対して、B局は救助作業が円滑に運んでいる事を強調し、関係者に感謝の意を表する等、2局の態度は対照的でした。
どうやら視聴者はA局の姿勢を好意的に受け取らなかったようです。なぜなら、32番目の竜巻の報道では、A局も救助作業が隣り合うネブラスカ、アイオア、南ダコタの3州の協力ですみやかに行われたこと伝え、前回と違って非難をする姿勢はみられませんでした。