博多より春の手紙(2)


いい話 2題


その1

清水皮膚科に行くのにはタクシーを降りて階段を20段くらい上がります。左手で手すりを握り右手で杖をつきながらゆっくり登って行きます。皮膚科の入口ガラス戸を開けると待合室です。

その日は待合室に3才くらいの女の子とお母さんが腰かけていました。私が入口に近ずくと、親子2人はさっと立って入口のドアを開けて私を入れてくれました。私は「お嬢ちゃん、ありがとう」とお礼を云って座りました。普通の母と子の姿でしたが、私は、なんて素敵な親子でしょうと感心したのです。


その2

皮膚科の診察を終えて銀天町を歩いて行きました。穴井文具店には久しぶりに入って見て最初に驚いたのは、新しい文具類が山積みになっています。物珍らしくてきょろきょろしながら奥の方に進むと、店番の青年が一人。その辺にある箱に腰掛けて、買い物メモを青年に渡すと、便箋 封筒(大小3種類)糊 万年筆用インキ 筆ペン カード等 青年は店中歩き廻って品を揃え計算します。

そのあとタクシーを呼んでもらい外に出て待っていると、後ろに青年が立っています。私は「 タクシーが来るまで時間がかかるからお店に入ってください」と云っても青年は黙って待っています。私がタクシーに乗り、車が動く迄見届けてくれました。

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