
2008年が明けるやいなや、全国50州と首都ワシントンD.C.のトップをきってお隣のアイオワ州でIowa caucus(アイオワコーカス)がもたれました。いよいよ、大統領選挙の幕開けです。
このアイオワコーカスですが、短い説明を聞くだけではよく理解できないので、もうすこし調べてみました。全て明白になったとはいえませんが、概略は以下のごとくです。
まずコーカスという言葉の由来です。北米原住民インディアン(おそらく、アルゴンキン部族)の言葉で、部族の首長の集まりを意味します。現在ではもっぱら政治に関連した集まりに使われますが、政党の線を超えた集まりもあります。例えば、連邦議会の黒人系議員の集まりである Black Caucus等です。しかし、州単位では、おおむね、民主党か共和党に分かれて集まりがもたれています。
選挙権の所有者はだれでもコーカスに参加できます。アイオワでは2年おきにコーカスをひらき、候補者を選出しますが、これは、大統領、連邦議員に限らず、州や郡市町村の長、議員、全てが住民の意思を反映することになります。たまたま、大統領選挙に年が重なると、注目の的となります。
アイオワ州の両党の規則で、各選挙区 (precinct)でのコーカスを州や郡単位でのコーカスより30日早くひらかねばならないと決めてある為、各選挙区でのコーカス(いわゆるアイオワコーカス)が全国で最も早くもたれることになったわけです。
各選挙区のコーカスでは州ひいては全国の党大会に出席する代議人を選出するわけで、大統領を選出するわけではないのですが、代議人はどの大統領候補に投票するかを声明します。したがって、選出された代議人の数でアイオワ州の各党はどの大統領候補に投票するか決定したも同然です。
興味があるのは、大統領選挙に関して全国で最初の投票である為の利益として、2004年には州として5,6千万ドルの収入がありました。報道関係が主とした収入源と推察されますが、2008年は数億ドルであったと見込まれています。
ちなみに、primary election(ハワイ州もそのひとつ)とコーカスの違いは、primaryが無記名投票に対して、コーカスは有記名投票をすることです。