「アメリカ」 ひざくりげ (3)

 東西南北ぐるり見廻しても、山影一つ見えない。晴れた日は抜けるような青空が、大海原のように広がる。此処は大平原の真只中。

 ネブラスカ州ノーフォークと云う。人口2千2百人余の街。緯度は札幌くらいと聞く。

 娘夫婦の家に滞在したのは、平成11年1月から3月迄、夜は零下10度以下にもなり、朝美しい樹氷を見たり、雪の中を走る兎や栗鼠にも何度か出会った。猛吹雪の日は家から一歩も出られない日もあった。

 住宅は申し合わせたように中地下室構造になっている。地下室の三分の一位が地上に出ているので、室内は意外と明るい。これは竜巻等の災害から守る工夫と聞いた。

 市内には大学、病院、ホテル、デパート等大きい建物があるけれど、どれも平屋建てばかりで、日本で高層建築ばかりに見馴れている為か、最初目線の置き処に戸惑った位だった。

十年の回顧

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