福岡空港から米国オレゴン州ポートランドまでの直行便、所要時間は約十時間。平成11年1月9日、90歳の私は、一人、デルタ航空機に乗る。
機内食を食べたり、トロトロと眠っているうちに、午前11時30分ポートランド空港着。降り口には予約の車椅子が待っている。
背高ノッポのアメリカ人男性が付き添ってくれる。日本語は話せない。そのノッポ君の活躍ぶりは目覚しいものがあった。車椅子専用と思われる薄暗い通路をアットいう間に駆け抜ける。其処は出口近くで雑踏の真っ只中、ノッポ君は手荷物受け取り場所に走る。次は私が渡した航空切符その他の手続きを済まして、出口から外に出る。
出迎えの人たちでごゴッタ返している。出迎えを約束してくれた肝心の娘の姿が見えない。そこでノッポ君は放送室に走って行き、係りの人に尋ね人としての放送を依頼。暫くして娘の姿を見つけた時は体中の力が抜ける思いであった。
広い広い構内を人波を掻き分けたら大通りの方向に進む。タクシー乗り場までノッポ君の世話になり、少々余分のチップを渡す。自分のあばあさんのように扱ってくれたノッポ君、ほんとうに嬉しかったですよ。
「十年の回顧」
