ニジンスキー、アンナ・パブロバといえば、20世紀の初頭世界を風靡した天才バレヱダンサー。彼らは、これまた有名な演劇の泰斗セルゲイ・ ディアギレフの率いるロシアバレエ団 (The Ballets Russes) の主役として、フランスのパリで数々のバレエを上演しました。
古代ギリシャ、ペルシャ、エジプトの神話や伝説にもとずく異国情緒にあふれた舞台は、その斬新さで注目されたのですが、踊り手にくらべると、舞台装飾にたずさわった人については、あまり知られていません。
この6月から9月にかけて、ネブラスカ州のオマハのジョスリン美術館で The World of Art (MirIskusstva) と題したロシア芸術の展覧会が開催されました。
19世紀末から20世紀初頭の比較的短期間に、ロシアで起こった新しい芸術運動を紹介したものです。ディアギレフはその推進役であり、バレエは美術、舞踊 音楽の結集した総合芸術であることを世界に示しましたが、その実現には、ニジンスキー、パブロバ等の踊り手は勿論のこと、振り付け師のホーキン、バクスト (Bakst)や、べノイ(Benois)をはじめとする舞台芸術家、ドビッシー、シュトラウス、ラベル、さらには、ストラビンスキーらの作曲家の才能が 一堂に会してはじめて可能であったことを、ロシア国外ではおそらく今回初めて詳しく公開したものといえます。
この展覧会はオマハの他は、ミネアポリスとプリンストンの2ヶ所だけでしか開催されないのは、いささか残念です。 (2005年9月15日)
