Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 29

 
 この家に引っ越してすぐに裏庭に植えた数本の梅ノ木は春一番に薄いピンクの花を咲かせ、日本のさくらを思い起こさせてくれます。7年目の昨春は真っ赤なカーディナルが巣をかけてくれ、お墨付きをもらったと感じました。

 花びらが散って、赤みをおびた葉っぱに替わりだした5月の中頃、ロビンが せっせと巣を作りはじめました。巣作りとしては時期的にちょっと遅れたのです が,これには訳があります。このロビンは最初 雨樋の上に巣をかけようとしたのですが、樋が滑りやすい材質でできているため、苦心して集めた材料が皆 地上に落ちたのです。人間でいえば、やっと見つけたアパートがすぐに取り壊しになったようなものです。そういった訳で出だしが遅れたのですが、その後は無 事進行。

 ある朝 ミーミー鳴く声に巣をうかがうと、ロビンの雛がいっせいに口をいっぱいに開けて親ロビンに食べ物をねだっています。親ロビンは虫を運んでくる、食べさせ る、また虫探しに出ると分刻みの忙しさです。 雛の成長はめざましく10日余りで羽をばたつかせはじめました。こうした観察ができるのは、サンルームが庭から高い位置にあるうえ、梅の枝がサンルーム側 は疎らなっていて、ロビンの巣が見てくれとばかりによく見えるからです。

 朝一番の目覚ましのミルクティーをいただきながら思うのは、ロビンの雛が巣をはなれて独立するのぜひ見届けたいという事です。  ー初夏の小話しー(2005年 6 月10日)


(ハワイパシフィックプレス連載)

 

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