Dr. Yoko Kelley のネブラスカ便り 8

  「実るほど頭をたれる稲穂かな」

稲穂とは縁遠い米国北部中央平原に住んでいても、これと同じ風景に出会います。

昨年の夏、裏庭を我がもの顔に走りまわるリス達が、たまたま一本だけ育ち、種をいっぱいつけたひまわりを一心に食べていました。

そんなに好物なら、来年は、ひまわりをたくさん植えようときめ、まだ戸外がうすら寒い今年4月、カリフォルニアグレイストライプと呼ばれるひまわりの種を20個ばかり鉢植えし、暖かくなるまで室内で育て、6月に裏庭の一番日当たりの良い場所に植えました。

気候の変わりやすい地帯ですから、あまり期待していなかったのですが、嬉しいことに、どれもすくすく育ち、種の袋の説明どうり、皆2メートルを越す立派なひまわりの林ができました。花も大輪で、なかには直径50センチを優にこすほどです。

待つほどもなく、種がびっしりとつき始めると、それまでは太陽の向かってまっすぐに立っていたひまわりの頭が、次第にたれてきて、ついには、種のついてる面が地面と平行になります。

すると、リス達の出番となります。良くしたもので種の裏側は広くて、食事する時の足場にじゅうぶん。先日は、キツツキがやってきて、種の付いている面にぶらさがって、リスに負けじと食べていました。


(ハワイパシフィックプレス連載)

This entry was posted in Nebraska便り. Bookmark the permalink.