9月3日
いよいよ待ちに待ったハワイ訪問である。生まれて始めて日本を飛び出すので、とても緊張している。軽い時差ボケの中、ハワイ到着。すぐにタクシーに乗ってコンドミニアムに。なんと最上階に近いゾーンで、約40階に位置する部屋にびっくりした。荷物を整理した後、今回お世話になるナコスへ赴く。
その後、いきなり Keith 夫妻のところで、ファミリーコンタクトでお世話になることになった。政也と一緒ということで、「何でもいいからどんどんあたっていけ」とアドバイスをもらった。
しかし、思ったことがなかなか口に出して言えない。それでも何とかコミュニケーションをとることができ、海に行って、15Mほどの高さの岩から海へダイブ! 飛び込んだ瞬間、「死ぬ!」と思ったが、いつの間にか海の中へ splash! スリル満点でとても楽しい! また、キースからシュノーケリングのセットを借り、岩場近くで泳ぐ大量の魚に大感激!こんな感動は始めてのことだ!
海に行くまでも、アメリカ定番の hot dog, pizza の大きさに感動したりと、カルチャーショックの連続! また夜には、奥さんのシェリルとスーパーマーケットで買い物を体験。うわさには聞いていたが、1つあたりの量が多い!
夜は4人で食卓を囲み、夫婦のわきあいあいとした姿を目にする。おしどり夫婦って、こういうのだろうなと感じた。そして色々なチャットを楽しんだ。その後、キース、政也とスクラブルに挑戦し、惨敗。でも頭の体操にもなるし、コミュニケーションのネタにもなるので、とても楽しかった。
キースはとてもいい人で、のりもよく、ハワイアンだなという印象で、シェリルは、やはり部長をやっているだけあって、話す時も、とて彼女の眼力を感じた。話をするだけで、相手の大体を見抜いてしまうことができる人だな、とも感じた。
9月4日
朝はシェリルの作った朝食を食べる。ソーセージやハムなど、アメリカならではのメニューだ。そしてこれが終わると、あとはナコスへ車で行くだけなので、何かしなくては、と思い、皿洗いなどの片付けをした。ファミリーコンタクトは1日では短い。2、3日あれば色々な話ができるのに、と思った。
昼にナコスへ戻り、Dr. 小林とのお話しがあった。ハワイ、アメリカの医療システムについて、そして日本との違いについて話していただいた。彼も色々ハードなハードルを超えて今の現在があるのだなあと思った。ここに来て、そういう人は顔を見ると何となく分かる。その後、明日のクイーンズ病院見学の下見のために、初めてバスに乗る。横にも縦にも長いバスだった。時間、位置を確認してからアロハタワーの方へ歩いていく。しかし、17時を過ぎていたので、タワーには上れなかった。残念。。
9月5日
朝9時にクイーンズ病院へ。トモさんの案内で病院内を見学する。病棟はほとんどが個室で、集団病室は2部屋のみ。患者さんのニーズに可能な限り沿った、日本にもなかなかないハイレベルの病院である。10階の産婦人科病棟から順に、リハビリ室や放射線系の部屋、救急までいろいろみせていただいたが、全体を通して2つのことが印象的だった。
1つ目は、病院の雰囲気やつくりがとても親しみのあるものだということ。日本のような暗いイメージの廊下や、薬類の臭いが全くしない。一つ間違えればホテルにいるような錯覚さえ覚える雰囲気であった。日本の諏訪中央病院に似たようなところがあった。
2つ目は、そこで働くスタッフが、楽しそうに仕事をしていたということ。自分の仕事を誇りにしていないと、決して見せられない表情だなと思った。
病院の見学後、シンディーさんのフードバンクでのボランティアに政也、真理子、ちーちゃん(粟野さん)の4人で参加した。その地域で、貧しい人のために食べ物や飲み物を無料で与えていて、その手伝いをした。ひさびさの労働に少し疲れたけど、重い荷物を車まで運んだり、そこの人と直にふれあえたので、よい経験になった。
9月6日
朝からシュライナーズ病院で見学。日本にもあまりない小児病院で、入り口からとてもファニーな構えで、これなら子供達も安心して病院にこれる、という感じがした。案内役のビルさんとコリーンさんは、とても分かりやすい英語で案内していただいたので、理解が進んだ。同じ英語なのに話し方次第で、こうも違うのか、と痛感。私も自分の日本語を、聞こえやすくなるよう磨いて行こうと思った。 Speech Therapy はなかったものの、スタッフの仕事に対する充実度や病院内の装飾など、見習う点はたくさんあった。
その後、2ヵ所目のファミリーコンタクト先、セラ&マークの家にいく。築100年近くなるという家は、こぢんまりとしてはいるが、天井も高く、とてもいい雰囲気の家だった。セラさんは、たくさんの水をたたえた湖面のように静かで深く透き通るような、しかし、しっかりとした芯をもった人だな、と思った。また、マークは私には忘れかけていた本当の意味での父親像、男性像を持った、厳しさと寛大さをちゃんと合わせもった人だな、と印象をもった。自分のセルフポートレートを説明した後、明日、行われるマークの友人、トニーの娘の1才の誕生パーティーに出す料理を作るべく、マークの経営する幼稚園のような施設に行った。そこでは、ハワイの伝統料理を作っていた。大きな穴を堀り、それをかまどにして炭火で石を焼き、よく焼けたら炭をどけてチキン、ポーク、ポテトを入れてバナナの木の葉などで上から覆い、最後に土をかぶせて、中で蒸らすというものである。私はそれを手伝ったり、また、デザートのライス、砂糖、コンデンスミルク、バニラエッセンスを使ってライスプリンも作った。一緒に作っている時に、マークに「Everything is learning.」と言われたことが印象的だった。23時頃に家に戻り、シャワーを浴び、セラさんと少し話しをして就寝。
9月7日
朝7時30分に起床。昨日の作業場へ行ってでき上がりを取り出し、すぐに今日のパーティー会場であるワイキキビーチに行く。パーティー会場では続々とトニーや奥さんのアイビーの友人が50人ほど集まっていた。そこで色々な人と話をし、ビーチでマーク、息子のマラカイ、モゼスと遊ぶ。4時頃に一度、ナコスヘ戻り、6時30分に政也、真理子、みどりと一緒に教会へ行き、集会に参加した。牧師さんの話は2割ほどしか解らなかったけど、ギャグまじりに、本当言いたいことはなんとなくわかった。マークも牧師になりたいということで大学にいって勉強しているらしい。彼なら立派な牧師になれるだろう。
9月8日
今日は、曙の母、ジャニスローアンさんの家を訪問。息子が横綱になっても、華美な生活に走ることなくご自分の生活を守っていらっしゃる。すごいことだ。今回は修三さん、美智子さん、そしてセラさんも一緒に行った。昨日からこしらえた、おでんや白あえ、ネギ飯、吸い物などを食べてもらう。ジャニスさんはおでんと白あえがお気に入りのようだった。そして最後に島唄をうたう。唄は、メロディーだけでも伝わるのでいい。彼女もとてもしっかりとした、とても大きなものを感じた。そして帰りはセラさんの提案で海沿いを走るルートで帰る。ハワイのようなこんな小さな島でも、日本にはなかなか見られないものがたくさんある。やはり世界は広い!と痛感。
9月9日
あさ、寝坊をしてナコスに出る。修三さんのお話しの後、ジェニファーさんとみんなで話をする。新しい会社を立ち上げる寸前らしく、そのビジネスについての話や、実際に車を見せてもらって、どのようなことをするのかを理解する。午後からは、ハイディとトーク。ハイディは、昔、言語療法を受けていたことがあって、Sの音に関して吃音があったそうだ。今でもたまに出ていたが気になるほどではなかった。その他、ハイディの仕事、日本人向け結婚式でのハプニングなど、楽しく話すことができた。夕方にアラモアナで靴を2足購入。日本には絶対にないサイズもここでは全然余裕あり。とてもうれしい。夜は明日のナンシーさんにもっていくカレー作り。そしてサンキューカードを書く。とても忙しい日に疲れながらも満足。
9月10日
朝ちーちゃんをセラさんの家まで送り、その後、政也、みどりと3人でカピオラニ病院へアポなしでアタックする。病院ボランティアの人が丁寧に応対してくれたが、やはりアポがないことと、忙しいということで体裁よく断わられた。いったんナコスへ帰った後、シュライナーズ病院へアンさんに会いにいく。私は初めてだったが佳子さんや政也など久々の対面に場が和む。再びナコスへ戻り、ナンシーさんに初めて会い、ナンシーさんの仕事などについてみんなと対談した。その後、政也と2人でナンシーさんの家へお邪魔して、彼女の息子と一緒にご飯を食べる。政也と作ったカレーの出来は中の上。じゃがいも、にんじんが少し固かった。。ナンシーさんもとてもいい人で、私の読んだセルフポートレートの間違いを細かく指導してもらった。今晩もモナークでサンクスカードを書く。
9月11日
ついに最終日。午前中は、パメラさんとお話しをした。彼女は幼少の時から大変な苦労をされてきた人で、その凄さは想像を絶するほどのものだった。パメラさんに比べたら、自分はまだまだベイビーだな、と思った。昼食は、私たちが作ったサンドイッチを修三さん、美智子さんと食べる。昼からはジェレミーと佳子さんとまゆちゃんと一緒に人生初のボディーボードへ。波に弄ばれながらも、とても楽しくできた。ジェレミーは2、3年後に日本で教会を建て、キリスト教を布教するのだそうだ。そのために、今はお金をため、牧師になるために勉強をしているところだといっていた。そして最後にこのジャーナルを仕上げて終了。
全日程を終えたいま、これほど実りある時を過ごしたことはなかったと心から思う。今回、得たものを日本に帰ってからどう生かすか、やるべきことはたくさんある。とりあえずは、ウェブサイトを立ち上げること。そこから少しずつ、でも持続的にやっていこうと思います。10日間という極短い間だけでしたが、どうもありがとうございました。