〜〜わきて流るる泉河 いつ見きとてか恋しかるらむ(作者 中納言兼輔)
お正月恒例の百人一首のかるた取りでこの歌が流れると、いつも母の手が素早くのびていた事を思い出します。母の好きな歌で、その理由は、母は旧姓が泉だからと言っていました。
文庫本「百人一首」のなかにこの歌を見つけて懐かしんでいると、現代語訳に「みかの原を分けて流れる泉河 . . .」とあります。
わきては湧きて、で、加えて、下の句は「分かれても末に会わむとぞおもふ」であると思い込んでいた私はへーそうだったのと、ただ感心するばかりです。
この文庫本は索引が充実していて、上の句、下の句、どちらからも歌を見つける事が出来ますので、「わかれても末に . . .」の正しい上の句を探してみましたら、「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われてもすえにあはむとぞおもふ(しゅ徳院)で、更に、分かれてもではなく、われても であることがわかりました。