名古屋市に住む兄から12月3日「磁気バイオフォーラム」とよぶシンポジウムで「磁気プロトニクスの理論と応用」と題する講演をおこなったので参考までにと、講演のテキストをメールでおくってきました。この兄は名古屋大学工学部の名誉教授なのですが、退官後も退官前と変わらずどころか、専門の電子磁気の分野でいっそう忙しくしています。
講演題目を読んだ直後は、難解(ちんぷんかんぷん)!と恐れをなしたのですが、副題の「2050年100億人地球社会への準備―食糧問題 水問題 エネルギー問題 環境心身の健康問題グリーンイノベーション ライフイノベーション」に目を通して、これはがんばって読んでみようという気になりました。
兄は、これまでも折にふれて、磁石(磁気を帯びた石)の植物への影響については、写真をメールで送ってくれていましたが、理論的な裏付けがあるのだとは考えていませんでした。この理論面は私が説明するより図で読み取っていただくほうがずっとわかりやすいでしょう。
それよりも、磁気を応用した食糧生産がなぜ重要な課題となっているのかの説明が身近に感じられました。
すなわち、現在の食料生産は単一種の生物を密集的短期的に大量育成多量収穫する大規模生産制となっていますが、これは個体の脆弱化を招き、免疫力は低下し、感染症に罹患しやすい、すなわち「ハイリスク ハイリターン」の生産様式です。そこで、新技術として近代農林水産技術における「個体の活性化技術の開発」が急務になっています。その新技術の一つが磁石の応用であるわけです。
兄は、三重県鳥羽市の鳥羽湾沖の菅島で採掘されている橄欖岩(かんらん岩)が磁性を帯びていることを発見しました。菅島を所有する鳥羽市では菅島磁石を地域振興に役立てることを検討しているとのことです。このシンポジウムの参加者は文部科学省関係者や東海地域の大学のみならず、自治体、企業からもあり、関心の高さがうかがえます。